縄文人と私達 〜 注15

公開: 2022年9月21日

更新: 2022年9月23日

注15. 梅原猛のアイヌ語起源説

哲学者で古代日本の歴史を研究していた梅原猛は、朝日新聞に寄せた随筆で、日本語に残っているアイヌ語の痕跡について論じています。梅原氏は、言語で時代による変化を受けにくい基本的な動詞に注目しました。、

アイヌ研究の開拓者、バチェラーの辞書からアイヌ語と現代日本語の似た意味を持つ動詞を列挙しました。それらは、アン(有ル)→ある(有る)、オロ(入ッテアル)→おる(居る)、エ(食スル)→えさ、えもの、ク(飲ム)→くう(食う)、エク(来ル)→い く(行く)、アリキ(エクの複数形)→あるく(歩く)、クル(近ヅク)→くる(来る)、アラバレ(行カシム)→あらわれる(現れる)、イキ(得ル、為 ス)→いきる(生きる)、シニ(休ム)→しぬ(死ぬ)、コレ(与フ)→くれる、ウク(取ル)→うく(受く)、マカン(退却スル)→まける、サン(下ガ ル)→さがる(下がる)、ウシ(消エル)→うす、うしなう、ウツルアン(減ズル)→うつる(移る)、クタ(クダス、棄テル)→くだす、カル(為ス)→かる (刈る、駆る)、キル(転覆スル)→きる(斬る)、タタ(キル)→たたく、などです。

参考になる文献資料

梅原 猛著、「金田一理論の光と影」、朝日新聞 2006年2月21日 文化欄